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1632021/07/31(Sat) 16:33
□ 祝・東京五輪ソフトボール金メダル!! □


コロナ禍で開催されることとなった東京五輪。開会式を前に、先陣を切ってスタートした競技がソフトボールです。13年前の2008北京五輪では、パワフルな投球で日本中を虜にした上野由岐子投手は健在。二刀流の藤田倭選手に、新星・後藤希友投手、守備も盤石な野手陣…皆さんが素晴らしい活躍で、再び金メダルを獲得されました。本当に、おめでとうございます!!

自国開催は有利だとの声も聞かれますが、各競技で金メダル候補と言われてきた選手の方々が苦戦されているのを目にすると、それ以上に、自国開催ゆえの重圧がいかに大きいかを思い知らされる毎日です。

そんな中、上野投手は、アメリカとの決勝戦、先発で5回まで投げて絶好調の後藤投手に繋ぎ、このまま行くかと思われたところ、7回で再び登板。見事、結果を残しました。優勝直後のインタビューでは「途中、リリーフで投げてくれた後藤が顔面蒼白で、いっぱいいっぱいで投げてくれていたのを見て、逆に自分がやってやるんだという気持ちに奮い立たせてもらったし、気持ちを強く投げることができて、最終的に皆さんの期待に応えられて本当に良かったと思います」と答えています。プレッシャーをものともせず、ここ一番で力を発揮できる圧倒的な実力と精神力の強さは、まさに超人的なレベルです。

解説を務めたのは、元日本代表監督の宇津木妙子さん。各選手に対する愛情あふれる紹介や的確な解説だけでなく、「復興五輪」が掲げられた中で初戦を福島で開催できた意義、アメリカのアボット投手が日本(トヨタ自動車)でプレーすることを選択し、後藤投手はじめ多くの日本選手のレベルを引き上げてくれたことに対する敬意、この環境下で五輪開催がかなったことへの感謝など、現在のソフトボール界の礎を築いた宇津木さんならではのコメントが聞かれ、心を揺さぶられました。

13年ぶりに復活したソフトボールですが、残念ながら、次回の2024年パリ五輪では再び参加競技から外れてしまいます。宇津木妙子さんとは、2年前に雑誌で対談させて頂きましたが(2019/04/09のコラムに記載)、そのご依頼のため、初めて携帯に電話を入れさせて頂いたとき、「実は、今、アフリカにいるんです。二日後に帰国するので、また連絡をください」と言われたことを思い出します。

ヨーロッパやアフリカでは、ソフトボール・野球は、あまり盛んではないため、宇津木さんは、競技人口を上げようと、長きにわたって地道な普及活動を行ってこられたのです。帰国してすぐに実現した対談では、「先週、アフリカのガンビアに三度目の訪問をしたら、初めて行った10年前には選手だった少年が、今回は指導者になっていたんです」と、ソフトボールが着実に根付いていることを嬉しそうに語っていらっしゃいました。

今回、東京五輪の初戦後と金メダル獲得決定後に、お祝いのメールを入れさせて頂くと、宇津木さんは、すぐに返信をくださいましたが、優勝の二日後には、改めてお礼の電話をいただきました。おそらく、多くの応援し、祝意を伝えた方一人一人に、連絡を取っていらっしゃるのでしょう…。そうした義理堅く素晴らしい人間性、レジェンドとしての精神性も、麗華監督、上野投手に引き継がれていることと思います。

スター選手ぞろいの日本ソフトボール界。アメリカとオーストラリアは今回の東京五輪にも出場しています。2028年のロサンゼルス(アメリカ)、2032年のブリスベン(オーストラリア)では、またソフトボールの熱戦を見せて頂きたいですね。五輪参加復活に向けて、皆さまも、ぜひ応援をよろしくお願いいたします。


斎藤ますみ
1622019/11/25(Mon) 13:58
□ 第58回 電話応対コンクール問題の解説 □


令和元年11月22日、日本電信電話ユーザ協会の電話応対コンクール全国大会が東京の中野サンプラザで行われました。

今年の問題は、「お客様が、営業担当者にメールをしたが、返信がないので不安になり、一時間後に電話をしてきた。だが、営業担当者が不在のため、応対者は、お客様の用件を引き出し、その内容を営業担当者の携帯留守電に残す」というものでした。前者の「お客様から受ける電話」と、後者の「留守電へかける電話」は計3分以内に収める(留守電は30秒以内)という制約もあり、基本に立ち返った非常に良い問題であったと思います。

出場者の応対の多くは、音声表現のクセが無く、自然な話し方ができていたことが印象に残りました。ここは、このコンクールが回を重ねる毎に、応対者のスキルを確実に向上させてきた成果とも言える部分だと思います。

相手の用件の聞き出しについては、お客様が「午後1時にメール」を入れた後「午後2時に電話」をしてこられた、という時間差なので、営業担当者は他のお客様の用件などで即応できていないことは大いにあり得る状況です。したがって、お客様は返信が無いことでクレームの電話をしてこられた訳ではありませんが、急ぎ営業担当者に伝えたい用件があるということは想像できます。

ですので、留守電の入れ方も「用件は午後1時にメール頂いた内容に書かれています」というだけでは不十分です。営業担当者が外出先にいてメールを見る時間がない(もしくはメールが見られない環境にある)場合でも、内容がわかるように、30秒以内の留守電でポイントを伝えきることが大事になります。

留守電の入れ方について、コンクールでは各応対者によって様々な工夫がありつつも、上記の点では大きな差があったように感じました。社員同士の連携は、職種や立場を超えて、相手の状況に想像力を働かせ、的確に対応できることが望ましいですね。

また「お客様から受ける電話」と「社員への留守電」では、当然話し方のトーンは違ってきますが、限られた時間は30秒。「文字数」としては入りきれないところを、どれだけ「声のトーン」によって更なる情報を伝えられるか。ここは、その人のビジネススキルや気配り、人間性が出てくるところではないでしょうか。

声のトーンから「伝達内容の緊急性や重要度が伝えられる」というだけでなく、留守電を聞いた外出先の社員が「よりやる気や元気が出るような話し方であるか」ということも、非常に大事なところです。人の声は、相手の気持ちをプラスにもマイナスにも変えるだけの影響力があります。コミュニケーション力や人間関係構築力が高い人は、そうしたことも自然にできているのではないかと思います。

斎藤ますみ


◆日本電信電話ユーザ協会ホームページ
https://www.jtua.or.jp/
1612019/05/26(Sun) 16:51
□ プロ野球の梨田昌孝前監督と対談させて頂きました □

私、斎藤ますみが毎月連載する「NHK大相撲中継」のエグゼクティブ対談。夏場所号(第25回)では、元プロ野球監督の梨田昌孝さんと対談させて頂きました。

梨田さんは、近鉄の捕手として活躍された後、近鉄・日本ハム・楽天で通算12年も監督を務められたことでも有名ですが、NHKスポーツキャスター、野球解説者としても多くの方に親しまれています。

掲載は、カラー全4ページで、1「自分の弱点をカバーする技を追求すれば魅力がでる」、2「福本豊選手の盗塁を刺して生まれた『プラスの先入観』」、3「横綱千代の富士とは家族ぐるみの深いつきあい」、4「梨田監督が選手を見極める『プレッシャー度』の強さ」、5「野球界で行われた話し方、コンプライアンス研修」、6「引退した選手には野球教室への声がかかる」、7「ケガは競技人生を狂わす。出場判断は冷静に」という構成です。

野球については、盗塁王と呼ばれた福本豊選手の盗塁をどのようにして阻止できたのかという貴重なお話や、親友の落合博満監督のお話も大変興味深く伺いました。

梨田さんは、プロ野球の選手時代からシーズンオフには本場所観戦にもお見えになっていたそうで、角界人との親交もおありで、相撲への造詣も深い方ですので、相撲界への提言は特に示唆に富んだお話ばかりでした。

その中で出されたのが、プロスポーツ選手と切っても切れない「故障と出場判断」「プレッシャー対策」。野球界ではメンタルトレーナーを導入している選手も多いというお話から、私が埼玉西武ライオンズのヒーローインタビュー(話し方)研修を担当したときにメンタルトレーナーの研修も行われていたことや、セカンドキャリアについても会話が発展しました。

詳しくは今号をぜひご覧ください。

斎藤ますみ

◆梨田昌孝さんのプロフィール(梨田さんの事務所HPより)
http://www.true-masa.com/profile.html

◆「NHK大相撲中継」令和元年夏場所号 毎日新聞出版HP
http://mainichibooks.com/zoukanmook/sunday-mainichi-sp/2019/04/25/nhk-g-media-21.html

◆「NHK大相撲中継」令和元年夏場所号 もくじ
https://www.nhk-g.co.jp/sumo/mokuji20190506/
1602019/05/26(Sun) 16:42
□ 力士のセカンドキャリア 〜お笑い芸人に〜 □

斎藤ますみが「NHK大相撲中継」に隔月で連載する、新「セカンドキャリア」。夏場所号(第12回)では、お笑い芸人に転身した、元序二段・安大ノ波(あおのなみ)の「めっちゃ(細田亮)」さん(30歳)をご紹介しています。

彼がお笑いの世界を目指したのは、力士時代、当時の安治川部屋(現・伊勢ヶ濱部屋)のかくし芸大会で、披露した物まねが大ウケして優勝し、人を楽しませる喜びに目覚めたのがきっかけです。

力士引退後、吉本の養成所(NSC31期生)に入りましたが、そこでは、毎週、自分が考えてきたネタをプロの(放送作家などの)先生に見てもらい、アドバイスを受けることができます。それと、もう一つ、NSCに入るのには、相方を見つける目的もあるとのこと。

彼は、NSC在籍中の一年間で4回コンピ結成・解散を繰り返し、卒業時には、良い相方が見つからず、ピン(一人)だったと言います。しかし、その後、すぐに相撲マニアの男性と出会うことができ、コンビを組み、「小褄取り」「こずまとり」「オオイチョウ」とコンビ名を変えながらも、二人で飛躍を誓い、平成29年には「大阪吉本」から「東京吉本」へ移籍してきました。

ところが、意気込んでいた矢先、相方の男性が結婚を機に引退を表明。細田さんにとっては寝耳に水の話。小説「火花」を思い起こさせるようなエピソードが数々あり、夢を追うことの大変さを感じましたが、この世界ではこういったことも特段珍しいことではないのかもしれません。

昨今のお笑いは、主に「テレビ」「営業」「劇場」「YouTube」という4つの活躍領域があります。特に「テレビ」では、若手は、大御所の芸人さんにつながって仕事をすることが多いため、誰かがボケたら、いかにツッコミを入れ、フォローできるか。つまり、チームワークで仕事をするという意識が大事で、「自分だけ目立ってはダメ」なのだそうです。そうした芸人の基本となる協調性やコミュニケーション能力を身につけることができたのは相撲界で修業したおかげ。彼が相撲に強い感謝の念を持っていることもよく理解できます。

東京に来てからもバイト生活は続いていますが、いずれも力士経験を生かせる「外国人観光客向けの相撲体験教室」と「介護施設での高齢者向け相撲実演」。相撲の魅力を広めることにも貢献できる、やりがいのある仕事です。まだまだ先が見えない長い道のりかもしれませんが、いつか現状を突破するときが来ることを、相撲ファン・関係者はじめ多くの応援してくれている人たちが待ち望んでいます。ぜひ頑張ってほしいと思います。

さて、「NHK大相撲中継」は、今年度から年12回(月刊誌)から年6回の発行に変更となりました。それに伴い、斎藤が担当している、この「セカンドキャリア」と、毎月連載してきた「エグゼクティブ対談」は今号で一旦終了となります。ご愛読ありがとうございました。セカンドキャリアは、前身の「お相撲さんのセカンドキャリア」では異ジャンル転身を成し遂げた元力士45名を、現在の「サンデー毎日増刊・NHK大相撲中継」となってからは12名を取材。その間には「転職は元力士に学びなさい」の本も出版しました。この分野については、今後も色々な形で発信・活動をしてければと思っております。なお、同誌にはまた単発で記事を書く予定がありますので、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

◆吉本興業所属のお笑い芸人 めっちゃ(細田亮)さんのツイッター
https://twitter.com/mecchahosoda

◆「NHK大相撲中継」令和元年夏場所号 毎日新聞出版HP
http://mainichibooks.com/zoukanmook/sunday-mainichi-sp/2019/04/25/nhk-g-media-21.html

◆「NHK大相撲中継」令和元年夏場所号 もくじ
https://www.nhk-g.co.jp/sumo/mokuji20190506/

1592019/04/09(Tue) 11:41
□ 宇津木妙子監督と対談させて頂きました □


斎藤ますみが連載する、NHK大相撲中継「エグゼクティブ対談」。三月場所決算号(第24回)では、元ソフトボール日本代表監督の宇津木妙子さんをゲストにお迎えしました。

宇津木妙子監督は、シドニー五輪で銀メダル、アテネ五輪で銅メダルを獲得しており、世界ソフトボール連盟の理事などもされています。昨年は、日本相撲協会の「暴力問題再発防止検討委員会」の委員も務めていらっしゃいました。

そこで、宇津木妙子監督のご経験から、今の相撲界へのアドバイスを伺いました。

宇津木妙子さんのご経歴を振り返ると、実業団のユニチカ選手時代には、紡績工場(岐阜県)で働く約1000人(うち女性が950人)の寮生の寮母さんも務めていました。その後は、女性初のソフトボール監督となり、「鬼コーチ」と言われるほどの厳しい指導で有名だったとのこと。

つまり、相撲部屋の「おかみさん」と「親方」の両方の立場を経験し、どちらの力も備えた方とも言えます。

さらには、ご自分を慕って指導を仰いできた中国人選手(現・宇津木麗華さん)を受け入れ、ご自宅で一緒に暮らし、仕事の支援もしてきた経験もお持ちです。

そして、麗華さんが日本への帰化申請をするときには、「宇津木という名字を世界に広めたい」という希望を聞き入れ、妙子監督と同じ名字を名乗ることに。現在、宇津木麗華さんは、ソフトボールの日本代表監督に就任し、2020年の東京五輪での活躍も大変期待されています。

外国人選手を受け入れ、信頼関係を築き、日本で活躍する人材として育てられたというのは、並大抵のことではないと思いますが、この点でも、外国人力士が増加する相撲界に、大いに示唆を与えてくださる貴重な人物だと言えます。

実際にお会いしてみると、とても率直で、温かく、器の大きな方で、今の日本社会には、なかなかいないタイプの優れた女性リーダーであると感じ、大変感銘を受けました。

ご提言内容につきましては、ぜひ「NHK大相撲中継」春場所決算号(4月号)をご覧ください。

斎藤ますみ


◆宇津木妙子さんが理事長を務める
「NPO法人ソフトボール・ドリーム」HP
http://www.nposbd.com/

◆宇津木妙子さんがシニアアドバイザーを務め、
上野由岐子投手も所属する
「ビッグカメラ女子ソフトボール高崎」HP
https://www.biccamera.co.jp/sport_activity/index.html

◆NHK大相撲中継(4月号)毎日新聞出版
http://mainichibooks.com/zoukanmook/sunday-mainichi-sp/2019/03/27/nhk-g-media-20.html

◆NHK大相撲中継(4月号)もくじ
https://www.nhk-g.co.jp/sumo/mokuji201904/

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