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1492018/10/04(Thu) 20:09
□ 力士の健康・脳を守るための3つの提言 □


私、斎藤ますみが毎月連載している雑誌「NHK大相撲中継」の「エグゼクティブ対談」。9月場所決算号では、筑波大学名誉教授で、現在、相撲教習所の「運動医学」講師を務める三井利夫先生と対談させて頂きました。

三井先生は、心臓のペースメーカー研究の第一人者。奥様はお父様の経営されていた東京・江戸川区の太田医院を継ぎ、院長(産婦人科医)をされていて、今は、二人のお嬢様が医師となって同医院をサポートしている、というお医者さん一家です。

取材日は、平成30年8月3日でしたが、午前中に相撲教習所の三井先生の講義を拝見し、その後、ご一緒に太田医院へ移動。隣接したご自宅の応接室でお話を伺いました。

その応接室というのが、白い大理石の床。奥側の低い位置に白いグランドピアノが置かれ、手前側の高い位置には、ピアノ演奏を鑑賞できる丸テーブルがいくつか配置されていて、10〜20名を入れてミニコンサートが開けるような、とてもオシャレで素敵なお部屋でした。

正面奥の壁は、電動式でスイッチを入れると、東山魁夷の日本画(信州の森をイメージして描かれた絵画を模したもの)が一面に表れるような作りになっています。

三井先生は、日本画の琳派をはじめとする芸術文化に造詣が深く、対談の中でも、大相撲の様式美についてコメントされていました。

また、医師としては、「力士が引退後も健康に暮らせるようにルール改正を」(今回の対談のタイトルにもなっています)と提言され、「力士の至適体重」「土俵の高さ」「頭部攻撃禁止」の3つの角度からご意見をおっしゃっていました。

これらは、三井先生が、多くの力士の体重がこの数十年で大幅に増加したことに伴い、ご発言されたことなのですが、「これまでは、なぜ、大相撲に関わる専門家(主に医学関係者)の方々から、同様の問題提起がなされなかったのだろう」と思わされるような、重要で鋭いご指摘でもあります。

そのことについて、三井先生は、「力士はケガが多いので、どうしても整形外科医との結びつきが強い。整形外科は、首から下の脊柱と手足の神経、骨、筋肉などが対象となるので、脳への影響・リスクについては、なかなか問題提起がなされなかったのではないか」という旨の見解を述べていらっしゃいました。

大胆かつ新しい問題提起ですが、今後、力士になろうとする人材が躊躇せず相撲に取り組めるように、そして、実際に力士になった人達が将来にわたって健康でいられるように、この議論はぜひ進めて頂きたいと感じました。

斎藤ますみ


◆三井利夫先生(筑波大学附属病院 心臓血管外科HP)
http://tsukuba-heart.com/about/history.php

◆三井先生の奥様が院長を務める太田医院(東京都江戸川区)
https://ohta-iin.com/

◆雑誌「NHK大相撲中継」9月場所決算号
表紙 https://www.nhk-g.co.jp/sumo/
もくじ https://www.nhk-g.co.jp/sumo/mokuji201810/
1482018/09/11(Tue) 23:54
□ 漫画家のちばてつや先生と対談しました □


私、斎藤ますみが毎月連載する「NHK大相撲中継」の「エグゼクティブ対談」。9月場所展望号は、漫画家のちばてつや先生をゲストにお迎えしました。

ちば先生は、「あしたのジョー」「おれは鉄兵」「のたり松太郎」など数々の代表作を持ち、平成30年6月まで6年間、日本漫画家協会の第6代理事長を務められた(現在は、同会会長)、日本を代表する漫画家です。

特に、相撲漫画「のたり松太郎」は、昭和48年から平成10年まで、25年もの長きにわたって連載された大作であり、長崎の母子家庭に育った暴れん坊の19歳・坂口松太郎が角界入りし、成長していく姿が描かれ、角界人や相撲ファンの間でもとても親しまれてきた作品です。

そこで、私は、「のたり松太郎」全巻のほか、「ちばてつや自伝・屋根うらの絵本かき」などを拝読し、対談に臨みました。

「のたり松太郎」を拝読して驚かされたのは、ちば先生が、いかにお相撲さんの生活をよく観察され、相撲界のすばらしさをストーリーと絵に組み入れていらっしゃるかということでした。

実際にお話をうかがってみると、ちば先生は、朝3時から始まる相撲部屋の稽古を見学されていただけでなく、新弟子さんたちが通う相撲教習所の様子を見せてもらい、その後、こっそり彼らのあとをつけて力士の行動パターンや心情を探ったり、本場所中は支度部屋に入って関取と付け人の関係を観察したり…と、きめ細かく丹念な取材をされていたこともわかりました。

また、角界人に対する暖かな目線が感じられ、武士道的な日本の文化と精神性、国技のあり方、相撲界の変遷などのお話を通して、ちば先生の哲学的な深い思想や大きな人間性も知ることができました。同時に、「表現の自由」を大事にされている根拠についても大変感銘を受けました。

さらには、「のたり松太郎」の続編があるとしたら、どのようになるのか、などについても語っていただいております。

今回は特別企画として、4ページにわたる対談です。

なお、ちばてつや先生のご厚意により、「のたり松太郎」の漫画(荒駒こと坂口松太郎と、駒田中こと田中清)が描かれた色紙に先生のサインも頂戴しました。3名の読者の方にプレゼントいたします。

詳しくは、「NHK大相撲中継」9月号をご覧ください。

斎藤ますみ


◆ちばてつや先生の公式サイト
http://chibapro.co.jp/

◆ちばてつや先生ブログ「くずてつ日記」
https://ameblo.jp/chibatetsu/

◆雑誌「NHK大相撲中継」9月号
https://www.nhk-g.co.jp/sumo/

◆雑誌「NHK大相撲中継」9月号のもくじ
https://www.nhk-g.co.jp/sumo/mokuji201809/
1472018/09/11(Tue) 22:53
□ 玉祖神社(高安明神)宮司になった元力士 □


斎藤ますみが連載する「NHK大相撲中継」の新「セカンドキャリア」は、今号が第8回。大阪府八尾市の高安地区にある玉祖神社(別名、高安明神)の宮司を務める元力士・清水定男さん(72歳)を取材しました。

玉祖神社(たまのおやじんじゃ)とは、古事記に登場し、三種の神器の勾玉を作ったとされる「玉祖命(たまのおやのみこと)」が祀られた神社で、総本社は山口県防府市にあります。

八尾市の玉祖神社は、和銅3年(710年)に総本社から勧請されて以来、1300年を超える歴史があり、醍醐天皇や徳川家康も訪れたと伝わる由緒ある神社です。

古事記で、高千穂(宮崎県)の天岩戸に天照大神が隠れたとき、鳴かせた「常世長鳴鳥(とこよのながなきどり)」として知られる黒柏鶏(くろかしわけい)も、やはり玉祖総本社から譲り受け、日中は放し飼いにされています。

最寄り駅の「服部川」からは歩ける距離ではないので、車での移動となりますが、高台にあるため夜景がすばらしく、春は花見を目的に、ドライブがてら訪れる人も多いそうです。

清水さんは、昭和39年、時津風部屋に入門し、師匠・双葉山の付け人も務めましたが、183センチの長身ながら、太れない体質で、体重は75キロを超えることができず、約4年で角界を去りました。

その後、家業の農家を継ぎ、生け花用の花を育てていましたが、4年後には、高野山に生息する「コウヤマキ」を扱う林業に転じ、成功を収めました。ところが、60歳のとき、玉祖神社の宮司の役目を託されます。

詳しい経緯は、今号をご覧いただけると幸いです。

なお、清水さんは力士時代は「高安山」を名乗りましたが、大関・高安も、この高安地区にルーツがあり、この地区には「高安」を名字に持つ人が多いとのこと。清水さん始め高安地区の方々は、大関・高安の活躍を見守り、応援しているそうです。


◆玉祖神社(大阪府八尾市)
http://www.yaomania.jp/data/InfoDetail.asp?id=1442

◆雑誌「NHK大相撲中継」もくじ
https://www.nhk-g.co.jp/sumo/mokuji201809/


1462018/08/07(Tue) 09:14
□ 多様性社会で必要とされる通信制高校「NHK学園」□ 


斎藤ますみが連載する、雑誌「NHK大相撲中継」。平成30年の名古屋場所決算号の「エグゼクティブ対談」第16回では、相撲教習所で社会の講師を務める賀澤恵二先生をゲストにお迎えしました。

賀澤先生は、東京都の校長、都教委参事職を経て、現在、NHK学園高等学校の統括校長をされている方です。

対談前に、国立市にあるNHK学園を見学させて頂きましたが、閑静な町、校舎もきれいで、一般の高校と同じように職員室、図書館、体育館もあって部活もできます。先生は80名もいて、担任を持ち、送られてくるレポートを年間3000枚も受け持っているそうです。

NHK学園は通信制高校ですので、毎日学校に通うのが難しい芸能人、スポーツ選手の方々はじめ、さまざまな事情を抱えた人には最適の高校。東大合格者も輩出しているとのことで、現代のような多様性社会には不可欠な学校であると思います。

同学園は14年前に日本相撲協会と提携し、これまでに36名の現役力士が高卒資格を取得しました。高卒資格があれば、就職試験の条件に適うようになったり、国家試験を目指すことができたり、更には大学や大学院に進む道も開け、確実に引退後の人生に広がりが出ます。

幕下以下で年入が低く、東京都・千葉県・埼玉県に住民票がある力士は、様々な補助を受けられ、学費もほとんど掛からないとのこと。現役を引退してしまうと、仕事との両立も時間的に難しくなり、補助金を受けられず経済的にも厳しくなる可能性があります。今は希望者のみが相撲と両立して頑張っていますが、ぜひ多くの力士(できれば全力士)にチャレンジしていただきたいと思います。

詳しくは、「NHK大相撲中継」8月号をご覧ください。


◆NHK学園ホームページ
http://www.n-gaku.jp/

◆雑誌「NHK大相撲中継」ホームページ
https://www.nhk-g.co.jp/sumo/

◆雑誌「NHK大相撲中継」8月号もくじ
https://www.nhk-g.co.jp/sumo/mokuji201808/


1452018/07/08(Sun) 14:38
□ 俳優の松平健さんと対談させて頂きました □


私、斎藤ますみが連載する「NHK大相撲中継」の「エグゼクティブ対談」。今号(平成30年名古屋場所展望号)は俳優の松平健さんをゲストに迎え、角界人との交流、時代劇のお話、相撲界への期待・提言などについてお話を伺いました。

松平健さんは、言わずと知れた時代劇スター。特に24歳から主演を務めた「暴れん坊将軍」の徳川吉宗役は当たり役となり、最初は1クールの予定でスタートしたそうですが、大勢の視聴者から愛される超人気作として、25年間主役を張り続けました。

現在、関東地方では、テレビ朝日系列で平日朝4時から「暴れん坊将軍」が再放送されていますし、BS朝日1では、この4月から第1シリーズと言われる「吉宗評判記 暴れん坊将軍」の再放送が始まり、懐かしい20代のころの健さんを見ることができます。

ただ、昨今は時代劇自体が制作されなくなり、時代劇俳優と言える役者さんや作り手の方々が育つ土壌がなくなってしまいました。そのため、健さんは「最後の時代劇スター」と言われ、監督やプロデューサーの方から、時代劇の所作や話し方について「この場合はどうしたら良いのか」と聞かれることもあるそうです。

このことは対談中も話題になったのですが、誌面になる過程で編集上のミスが出てしましました。

13ページ1段目の「斎藤:二四歳から主演してこられた健さんにとっては、近年は時代劇も減って寂しいです。」と印刷されたところ、本来の原稿は「斎藤:若手の俳優さんも育っていないので、二四歳から主演してこられた健さんは最後の時代劇スターですね。近年は時代劇も減って寂しいです」でした。

読者の皆様から「会話として繋がっていない」というご指摘を頂きましたので、この場を借りてお詫び申しあげます。

その部分の前は、「日本の俳優さんの中でも当代随一」と言われる健さんの立ち回りについて話しています。

共演した俳優さんたちも「健さんほど乗馬とチャンバラのうまい人はいない」「1カットで10人以上を斬る立ち回りができて、しかも、舞うような美しい動き、スピード感あふれる流れと迫力を魅せられる人は、ほかに誰もいない」と、その見事さを表現されています。

また、主役を務めるに当たっての「役に取り組む真摯な姿勢」について、絶賛している俳優さんもいらっしゃいました。

実際、このたび、読者プレゼント用のサインをお願いした際にも、一枚一枚、心を込めて、丁寧に美しい文字を書いてくださいました。(ふるってご応募ください。)

対談させて頂いても、決して口数の多いタイプの方ではないのですが、生きた会話の中から生まれる質問に、一つ一つ真摯に考えて答えてくださるので、誠実なお人柄がにじみ出ています。また、よくインタビューをしていて、たくさんお話頂けるものの、新情報や独自性がなかったり、質問に合った答えを得られなかったりするケースもあるのですが、健さんは、その対極にいらっしゃる方のように思えました。

「将軍様」を地で行っているようなスマートで品格のある話しぶりに加え、これほど「心のこもった相槌」を打って、相手の話を聴いてくださる男性には、そうそう出会えるものではありません。

台詞を覚えるときも、一人部屋にこもって集中するのではなく、「相手役の俳優さんとやり取りしながらつかんでいく」とおっしゃっていました。

会話にリアリティーが感じられるか、感じられないか。間の取り方や台詞の入れるタイミングが絶妙で笑いが起こるか、起こらないか。それは、相手の話し方のリズムや呼吸をとらえなければできないことだと思います。私たちもお客様や仲間と会話する中で、「よく聴く」ということができているだろうか、と改めて考えさせられました。

昨日は、健さん主演の海外ミュージカル「キス・ミー・ケイト」全国ツアー(東京芸術劇場)を観劇して参りました。時代劇とは全く違う、海外の映画作品を見ているようなお声と話し方で、歌もすばらしく、健さんのご活躍の幅の広さ・深さを再認識した一日でした。皆様もぜひお近くの会場に足をお運びください。


斎藤ますみ


◆松平健さん公式サイト
http://www.ken-matsudaira.com/

◆ミュージカル「キス・ミー・ケイト」
http://hello-musical.jp/stage/kissmekate/

◆「NHK大相撲中継」名古屋場所展望号
https://www.nhk-g.co.jp/sumo/
◆同もくじ
https://www.nhk-g.co.jp/sumo/mokuji201807/

◆「NHK大相撲中継」毎日新聞出版HP
http://mainichibooks.com/zoukanmook/sunday-mainichi-sp/2018/06/20/nhk-g-media-11.html

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